OKR設定ガイド

投稿日 : 2019年04月19日 更新日 : 2019年04月26日

この記事は、OKRの運用を始めるために必要な「OKRの具体的な設定方法」「注意点」などを記載しています。
OKRをスタートする準備に取り掛かっている会社経営者、担当者に向けた内容となっています。

目次

OKRの概要
OKR設定の流れ
会社OKRの設定
Objective設定の4つのポイント
KR設定の3つのポイント
部署OKRの設定
個人OKRの設定
OKRを公開

OKRの概要

OKRとは、GoogleやメルカリなどのIT企業が導入し著しい成果を生み出し話題になっている、組織の戦略実行と社員の成長を促進する目標管理フレームワークです。また、業績向上や社員育成に貢献するだけでなく、社員のエンゲージメント向上にも効果があると言われています。
OKRは「Objective and Key Result」頭文字を取った略称で、「Objective(O):目標」と「Key Result(KR):重要な指標」という意味になります。

OKRの特徴や仕組みなどについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
「OKRを始める前に、絶対に知っておきたいOKRの基本」

OKR設定の流れ

OKRは、ObjectiveとKey Result(KR)が部署の数とメンバーの数だけ幾重にも連なりツリーのような形で構成される、組織目標達成を目的とした目標管理フレームワークです。
そのためそのツリーの一番頂点となる目標や戦略、いわゆる会社Objectiveを何よりはじめに設定する必要があります。

主な流れは以下の通りです。

(STEP1)会社Objectiveが、社長や取締役によって設定。
STEP2)会社KR=部署Objectiveが、社長や部署のマネージャーによって設定。
(STEP3)部署KR=個人Objectiveが部署のマネージャーまたはメンバーによって設定。
(STEP4)全社にOKRが公開され運用開始

スケジュールの例

OKR導入を計画して運用を開始するまでの流れと注意点です。

OKR は会社の戦略実行のために導入されるフレームワークであるため、導入スケジュールは会社の計画と連動する必要があります。仮に12月決算の会社を例にすると、会社の翌年度の目標と予算が始まる第一四半期(1月1日)に間に合うように準備を進めたい場合、会社規模にもよりますが、およそ3ヶ月前から準備を進めるのが一般的です。
10月頃になり経営メンバーが来期の目標や予算を作成しはじめます。来期の戦略や目標が徐々に固まり、10月の下旬頃には緊急性が高く具体的な会社OKRが設定されます。
11月に入り会社OKRが部署のマネージャーに公開され、部署OKRを設定する段取りへと進みます。部署Objectiveの策定と上司によるレビューを繰り返し、11月下旬ごろに部署OKRが完成します。
12月頃に、個人OKRを設定していきます。メンバーの数だけすり合わせの数が増えてきますので、期限を注意しながら進めていきましょう。

12月下旬、OKRの設定、最終レビューが完了したら、全社公開をし、新たなOKRがスタートします。

会社OKRの設定

ここからはOKRの具体的な設定方法について解説していきます。まずは組織の最上位となる、会社OKRを設定しましょう。会社のメンバーが見て「これがうちの会社で実現できたら面白い!」とワクワクするような内容と言葉に置き換えて表現しましょう。

Objective設定の4つのポイント

①適切な難易度を設定する

一般的にOKRは、メンバーが予測通りのパフォーマンスを発揮すれば充分に達成可能な難易度のものではなく、達成できるか出来ないか分からない、達成率が70%程度になる難易度で設定するのが良いと言われています。通称「ムーンショット」と言われるような目標です。

「ムーンショット」とは、未来から逆算して立てられた、斬新で困難だが、実現すれば大きなインパクトをもたらす「壮大な課題、挑戦」を意味する言葉です。OKRを研究する有識者の界隈では度々使われる言葉です。

一方、OKRと似たような目標管理手法にKPIがあります。KPIは目標達成のために、達成に必要なプロセスを全て指標化し管理していく手法です。達成の道のりが具体的になり計測可能な状態になる点でOKRと似ていますが、KPIは100%達成を必達としているため、達成可能な指標で構成されるケースが多く、目標達成したとしても前年比10%アップのような結果になり、驚異的な成果を上げられないと言われています。

OKRは、KPIとその管理手法は似ているものの、「組織全体が同じ目標に向かって仕事をし、その目標を通じて成長を促すのは、挑戦的な目標を達成するためという思想が根本的に異なります。

しかしどんな組織にでも驚異的な成果を望む挑戦的な目標を当てはめれば良いかというと、そうでもありません。組織が若いメンバーばかりで構成されていれば、まずは達成可能な目標で成功体験を積み重ねていくことも大切ですし、オープンイノベーションが難しい業界や組織であれば、挑戦的なOKRを掲げるのにもタイミングが重要になってきます。

組織の成熟度、業種業態、外部環境の状況によって適正な難易度は変わってきますので、組織にあった難易度を設定しましょう。

②ワクワクする言葉で表現する

「売上100億円達成」といった目標を、営業チームならまだしも、組織の最上位Objectiveに設定してしまうのは望ましくない例です。

OKRは、経営状態の良し悪しを外部に公開する決算資料とは違い、組織の戦略実行のためメンバーを鼓舞し続ける羅針盤のような存在でなければいけません。
管理指標をそのまま目標に設定するのではなく、従業員がやる気をもってくれるような言葉で表現しましょう。

③目標の数を絞りこむ

驚くべき成果を上げるために、Objectiveの数は少なければ少ないほどいいと言われています。もし目標が5個以上と多くなれば、それだけ業務量は分散され、最も重要な達成すべき目標に力が注がれないことになります。スタートアップや起業したての組織では、人や資金が限られるため、リソースの分散は大変リスクであると考えられますので、全員が同じ目標に向かえるように目標の数は絞りましょう。

④目標サイクルの期間は長すぎず、短すぎない期間で

OKRの実施サイクルは、一般的に四半期など短いサイクルで設定するのが良いとされています。一ヶ月単位では、野心的な取り組むを行うにはあまりに短く、一年単位では、外部環境の変化で目標の起動修正などが求められ場合、変化に対応しづらくなります。

また、OKRを、連続的な業務改善や継続的な学習のために活用していくためにも、定期的に成果を測定し、振り返りることが重要ですので、四半期毎にサイクルを区切っていくのがいいと言われています。

KRを設定する3つのポイント

①トップダウンかボトムアップか

OKRをトップダウンで決めるか、ボトムアップで決めるか、どちらの方法でも設定することができますが、Googleが公表している「re:Work」の中で、OKR は、トップダウンとボトムアップ双方の提案が組み合わさることで高い効果が期待できます。と記されています。

例えば、社長が会社目標を設定したら、目標達成のための達成指標を設定し、トップダウンで担当部署の責任者に割り当てて行きます。割り当てた後に、個別に面談するなど戦略や方針理解を促しつつ、期待感を伝え目標へのコミットメントを高めたら、部署の達成指標はボトムアップでマネージャーに設定してもらいます。そうすることで、マネージャーは目標に対しての責任感と納得感が増し、目標達成の強い原動力となっていきます。

トップダウン・ボトムアップ、どちらの方法が最適化は、企業の文化や成熟度によっても変わってきますので、経営層のメンバーで事前に決めておくことが重要です。

②達成に必要不可欠な要素を具体的に書き出す

会社目標を達成するために、必要な要素を書き出しましょう。それが会社KR=部署目標となります。

例えば、「ソーシャルアプリ業界で圧倒的NO1になる」といった目標を掲げた場合、業界NO1に到達するために必要な要素として、以下のような要素が考えれます。

Objective
:「ソーシャルアプリ業界で圧倒的NO1に」

KR:

(1)売上規模が業界NO1(営業、マーケティング)
(2)製品価値が業界NO1(技術部、デザイン)
(3)ブランドクオリティが業界NO1(技術部、デザイン)
(4)顧客満足度で業界NO1(カスタマーサクセス)
(5)働く従業員の満足度もNO1(人事、経営管理)

これら具体的な目標、ミッションが会社KRとなり、部署Objectiveとなります。

③計測できる管理指標を設定する

達成指標(KR)は計測可能な定量的な管理指標に起こすのが良いと言われています。

なぜならやるべき仕事が、日々計測可能で具体的な言葉で表されていると、メンバーは行動に移しやすくなります。また行動に対しての結果が、達成なのか未達成なのかが分かりやすいため、より具体的な改善案を出しやすくなります。

例えば

Objective:コミュニティを盛り上げて熱烈なファンを獲得するという

Objectiveがあったとしたら、以下のようにKRを設定します。

KR1:イベントのNPSを7から9以上に引き上げる
KR2:来場者数を3ヶ月合計で300人以上にする
KR3:ハッシュタグを使ったユーザー投稿数を◯◯件以上に
KR4:お客さんを毎月1人以上紹介してくれるファンを3人獲得

このように、KRは具体的で指標化されていることが重要です。

会社OKRのレビューと共有

会社OKRが出来たら、OKRの内容を、OKR設定に関わっていない経営陣や外部経営コンサルタントにレビューしてもらい、OKRがロジカルな因果関係になっているか、戦略に妥当性があるかなどレビューしてもらうことで、さらにOKRの実効性は高まってきます。

OKRのレビュー項目

・OKRの設定としてヌケモレがないか
・KRを達成したらObjectiveが達成される指標になっているか
・KRは具体的か
・Objectiveは会社のビジョン(または組織の目標)と整合性があるか

部署OKRの設定

設定するのは部署のマネージャーまたは会社経営者になります。設定する上で重要なポイントは会社OKRで説明したポイントと同じです。

部署OKRを会社OKRからトップダウンで設定する場合は、会社OKRで設定されたKRがそのまま部署目標になります。ボトムアップで各部署のマネージャーが設定する場合は、都度すり合わせが必要になります。

Objective

会社Objective達成に直接繋がる内容で、かつ会社Objectiveと密接に連動している部署目標を設定してください。

Key Result

部署KRは個人Objectiveに該当します。個人OKRをトップダウンで設定するか、ボトムアップで行うか、ミックスして行うかは、メンバーの成熟度などを加味した決定してください。

部署OKRのレビュー

部署OKRが完成したら、会社のOKRと内容に連動性があるか、マネージャーの上司や役員の方にレビューしてもらいましょう。

・部署KR(=個人Objective)は適正な指標、難易度、担当者か
・部署OKR全体に整合性があるか(KRすべて達成するとObjectiveが達成するか)

個人OKRの設定

メンバー一人ひとりのパフォーマンスが組織全体の成果に関係してくるため、個人OKRの設定はとても重要な役割をもちます。

また業績のパフォーマンスだけでなく、メンバー一人ひとりの成長にも個人OKRは重要な役割を担っています。

部署OKR同様、トップダウンかボトムアップかで事前事後が変わりますが、一人ひとりが目標にコミットできるように面談やすり合わせの機会を設けましょう。

設定で気をつけるポイントは会社OKRで記述した内容と同じです。

個人OKRのレビュー

個人OKRのレビューは部署の役職者、場合によってはメンターも含め行います。部署OKRのレビューと同様、会社OKR、部署OKRの内容と整合性があるかチェックします。

また、個人KRは適正な指標、難易度か、OKR全体に整合性があるか(KRすべて達成するとObjectiveが達成するか)、本人の成長に繋がる内容が盛り込まれているか。

OKRの公開

全メンバーの個人OKRが完成したら、いよいよOKRを社内に公開します。OKRはすべてのメンバーが同じ目標に向かって仕事するための羅針盤です。

設定されたOKRを全社で公開し、いつでも誰でも閲覧することができるのが望ましいとされています。

会社、部署、メンバーまで向かうべき方向性が一致すると、自分の成果や自らの成長が会社のビジョンや組織全体の成長に繋がっているのだと理解することができます。また、組織との繋がりを感じることで、社員のエンゲージメントも高めていく効果も期待できます。

更には、目標や仕事内容を公開することで、全社で情報の流通が促進され社内のコミュニケーションが活発になったり、今まで無関係と思っていた部署やメンバーと相互子関係性を見出し、思わぬシナジーが生まれたりするきっかけになります。

OKRを形骸化させず、目標達成に近づけるために

日々忙しく過ぎる業務の中で、マネージャーはメンバー一人ひとりのKRの進捗を確認し、目標達成に向けてチームを導いていかなければいけません。そのためには、目標が形骸化しないように毎日進捗管理とフィードバックを徹底することがとても重要です。
しかし、どうしても日々の業務に忙殺されてしまうと「仕事をこなす」ことに終始しがちで、毎日の進捗管理が疎かになりがちです。

そこで私たちはOKR、1on1クラウドツールのbantoを開発しました。

bantoをご利用いただくと、毎日必ず決まった時間に、「AIbanto(エーアイバントウ)」がメンバー一人ひとりの目標の進捗をチャットから質問してくれます。メンバーはその質問に回答するだけ。回答内容はレポートとなりbantoの画面上に送信されます。チームメンバーはその画面から進捗を確認したり、コメントをしたりすることが出来るため、とても効率よく進捗管理を行うことができます。

目標管理を形骸化させない。目標達成率を飛躍的に向上するOKRクラウドツールなら「banto」

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