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徹底解明!OKRで陥りやすい3つの失敗例

By : 高橋 和夫

投稿日 : 2020/04/03

更新日 : 2020/08/07

IntelやGoogle、Facebookといった世界的企業が導入し、成果を上げていることで有名なOKRですが、日本でもメルカリ等の急成長を遂げた有名企業が取り入れたことから注目が集まっています。徐々に導入する企業も増えてきており、自社ですでに運用しているという方も多いのではないでしょうか。

しかし、導入した最初の四半期は「上手く軌道に乗らなかった」「やってみたけどなかなか効果が出ない」など、想定外の課題に直面する企業も多いのが現状です。むしろ初めからうまく運用できる企業のほうが稀といっていいほど、OKRを導入したばかりの企業が失敗に直面するのはよくあることです。

「なぜ、上手くいかないの?」

そんな疑問をお持ちの企業の皆さまへ、OKRを成功へ導くヒントをお伝えします。

目次

1. OKR失敗事例
2. 目標設定のポイント
3. フィードバックを確実に行う
4. モチベーションを維持するためには
5. 失敗は当たり前?
6. まとめ

OKR失敗事例

よく耳にする失敗談の中から、OKRが失敗に陥りやすい要因をいくつか挙げてみます。皆さんの企業で引っ掛かるところはありませんか?

なぜ失敗をしてしまうのか、まずは一歩立ち止まって運用方法を見直すことが成功へのヒントにも繋がります。

    •  1. Key Result(KR):重要な指標 が多すぎる 

目標:Objective(O) の数は少なければ少ないほど良いと言われていますが、複数のプロジェクトを抱えるチームなどで、Oを2つ掲げてしまうケースが多いんです。チームのOが1つ増えると、それに合わせて個人のOも増え、KRはトータルで6つ以上…!KRが多すぎて忘れてしまったり、覚えていても着手できずに進捗なしというKRが出てきてしまいます。

そんな状態が続くと、次第に「これってやってる意味あるの?」という感覚になり、モチベーションやパフォーマンスの低下に繋がることも。

Oに掲げたい内容が複数ある場合は、優先順位をつけ、欲張らずに1つのOにフォーカスすることが成功への第一歩です。また全員が暗唱できるほど覚えやすく、シンプルな表現にすることも重要です。

    •  2. ワクワクする目標:Objective(O) になっていない 

これは様々な要因が関係し合って発生する問題です。

      • Oが堅苦しい表現で “ワクワク” しない

例えば、多くの企業では「売上1億円達成」といったように、Oが堅苦しい表現になりがちです。それを、

「HPに事例で乗せたいお客様から受注を取る!!」

とするとどうでしょうか。内容は同じですが、「HPに事例で乗せたいお客様」という言葉が入っているだけで業務っぽさが薄れ、こんなお客様に使っていただきたいね!という “ワクワク” が伝わりやすいOになります。
「勝ち取る」「変革する」といった言葉が刺さりそうなチームならそういった言葉を使うなど、メンバーがこれを見たときにやる気になれる、心に響く内容にすることが効果的です。

      • “自分ごと” になっていない

どんなに魅力的なOを設定しても、メンバーのやらされ感が強く、自分ごとになっていないためにワクワクしないというケースもあります。これは、マネージャーからメンバーへのOの伝え方の問題です。
「なぜこのOを設定したのか?」「これを達成するとどういう影響があるのか?」をしっかりと説明し、その上でメンバー全員と議論を交わして、納得感を作ることが重要です。

達成できるかどうか分からない、「ムーンショット」と言われるような高い目標を掲げるOKRでは、メンバー一人ひとりのパフォーマンスが組織全体の成果に繋がります。どのメンバーも置いてけぼりにならないように、メンバーとの面談やすり合わせをしっかり行いましょう。

      • “やってる感” がない

自分ひとりの頑張りではなく他部署の協力がないと進まないケースや、達成のために何が効果的なのかはっきりと特定できない内容(「ユーザー数を増やす」「離脱率を減らす」など)を設定した場合によく見られるのが、メンバーの “やってる” 感がないという問題です。

KRがメンバー一人ひとりのコントロールできる範囲を超えている場合、”やってる感” がつかめず、だんだんとやる気がなくなってしまうことがあります。

Oを企業全体で共有して他部署と連携しやすい環境を整えたり、施策レベル(キーアクション)で効果があったもの・無かったものをゲーム感覚で振り返り、有効な施策の数を増やしていくなど、メンバーがワクワクしながら仕事できる仕組みを作ることが効果的です。

メンバー同士のコミュニケーションやフィードバック、成果を報告し合い称賛し合うウィンセッションも、OKRの運用において重要なポイントです。

    •   3. “形骸化” してしまう  

企業が陥りやすいものの事例として、四半期たっても一向に達成の目処が立たず「スタート当初の意識が薄れてしまった」といったような、形骸化の壁にぶち当たることも多いはず。

考えられる要因は、大きく分けて2つあります。

      • OKRを忘れてしまう

業務を遂行するにあたって通常「作業 → 進捗の入力 → チェック」といった流れでサイクルが回るはず。しかし、作業を完了させて満足してしまったり、進捗の入力をその時々の状況でやったりやらなかったりといった企業の多くは、目標管理が上手く回せず頭打ちになってしまう・・、なんてことになりかねません。

せっかく決めた目標を見失うことは非常にもったいないですよね。

日々の進捗はチーム内でも声を掛け合い共有するなど、目標を忘れないような環境づくりが重要で、そこから意識の改善にも繋がっていきます。

      • 振り返り・チェックインが実用化できていない

今現在のやり方が効果的なのか、見直したことはありますか?

振り返りの工程は、仕事やプロジェクトを改善したり加速させるためには無くてはならない、ビジネスの基本となる手法です。

振り返りをする際には、月や週でどのような動きをしていたか、確認するためのエビデンスは確実にとりましょう。元となる記録が無ければ、何を根拠に良し悪しを判断すれば良いのか分からなくなってしまいます。

「日々の活動の積み重ねが、課題解決のヒントになる」ということを、しっかり頭に入れておきましょう。

また、進捗・確認ができていたとしても、リーダーの仕切りで完結させてしまうようなMTGのスタイルを続けているのも望ましくありません。上の意見だけを重視してしまうと、改善余地があるはずなのに気づくことすらできず、課題を見失ってしまう・・といったケースに陥りやすくなるからです。

ここでリーダーに求められることは、メンバー同士が意見し合えるような、環境を作ってあげること。

トップとして支持するのではなく、ここは一つ、同じ目線に立って、コミュニケーションの場の盛り上げ役に徹してみるのもいいかもしれませんね。

OKRで躓きやすいポイントを3つ紹介しました。

実は、OKRの設定にはある程度のルールが存在します。決して難しいことではないのですが、企業や部署、チーム、メンバーそれぞれの立場や考え方に応じたOKRを設定することが大前提となってきます。

では、どのようにすれば失敗する事なくOKRを設定できるのでしょうか。まずは、初心に戻ってOKR設定のポイントを確認しましょう。

OKR設定のポイント

OKRとはObjective and Key Result(目標と重要な指標)の略で、その名の通り、企業の最も重要な目標とその達成のための重要な指標を定め、メンバーの力を組織の最も重要な目標にフォーカスさせることで、企業とメンバーが同じゴールに向かって成長することを目指す目標管理手法です。ここで、目標を設定する際のポイントとを押さえておきましょう。

目標を設定するときのポイント

  • ● 設定の項目数は多すぎないよう注意
  •   Objective(O):目標     ➔ 定性的なもの1つ
      Key Result(KR):重要な指標 ➔ 提要的なもの3つ

欲張りに設定してしまうと、多すぎてそもそも記憶するのが困難になったり、達成率の悪化に繋がる恐れがあります。シンプルな内容でフォーカスしていきましょう。

  • ● 到達した時の状況が明確化されているか
    • 抽象的すぎる内容だと、KRの指標がより難しくなってきます。
    •  
    • ● メンバー全員がワクワクするような目標を設定できているか

メンバーのやる気を喚起させる内容であることが重要です。独りよがりな目標では、全員の意欲を沸き起こすことができません。

  • ● 目標の達成が誰が見ても分かりやすく、指標で測れているか

達成の進捗度合いは、指標を持って測ることが必要になってきます。例えば、「◯%維持」や「◯件獲得」など誰が見ても理解できるような数値を入れてみましょう。

  • ● 企業全体の目標は、他の部署や各チームまで整合性がとれているか

企業が目指す目標と、現場での方向性がバラバラでは、一向にゴールにたどり着けません。企業と各部署・チームの内容が統一されているか見直してみましょう。

高すぎる目標だと、「どうせ実現しない」と諦めからのスタートになってしまい、メンバーのコミット率が一気に下がるという事態を引き起こしかねません。逆に、低すぎる目標だと保守的になってしまい、新しいことに挑戦できない環境に陥ってしまいます。

ここで気をつけたいのが、KRの設定は達成出来るか出来ないか自信が半々くらいの、程よくバランスのとれたものであることが望ましいということ。10あるうち5くらいの自信度があることを前提にしなければなりません。

フィードバックを確実に行う

皆さんの会社では、OKRをメンバー全員に共有できていますか?
実は、設定の仕方だけでなく、週ごとの動きをチームや部署で共有し合う環境がもっとも大切です。

特に組織が大きくなってくるほど、会社→部署→チーム→個人といった上から下への共有が非常に複雑化していきます。
ここでポイントとなるのは、週に一度はフィードバックを入れること。

フィードバックのタイミングとしては、月曜など仕事開始のタイミングでチェックインミーティングを行い、週の半ばで進捗を確認。金曜など、週の最後に達成状況を報告するのが理想的です。
OKRを確実に習慣化させるためには、高頻度でフィードバックを行うのがもっとも近道と言えます。

フィードバックの頻度が月単位、またはそれ以下だった場合、KRのブラッシュアップや軌道修正にそれだけ時間がかかってしまい、さらには運用がマンネリ化するという悪循環に陥りやすくなります。

OKRを企業全体に浸透させるためには、欠かさずフィードバックを行うことが最も重要なのです。

 

モチベーションを維持するためには

誰しも「失敗したくない」「達成させたい」そう思う気持ちは同じはず。では、設定したKRが達成できなかった場合のモチベーションはどのように維持すればいいのでしょうか。

この解決方法として、先ほど挙げたフィードバックと合わせて、メンバーがお互いの成果を報告し合い、称賛し合うウィンセッションを行うことが推奨されています。些細なことでも報告し、メンバー同士でお互いを称賛し認め合うことで、会社への貢献度アップにも繋がり、次なる挑戦へのモチベーションを維持することができるというわけです。

OKRの本場・アメリカでは、毎週金曜日にメンバーの好きなお酒やスイーツを持ち寄ってウィンセッションを行う企業も多いようですが、必ずしもこの方法にこだわる必要はありません。日々行っている朝礼や定期ミーティングの初めにウィンセッションの時間を設けるなど、企業の雰囲気や文化に合ったやり方を探してみましょう。

失敗は当たり前?

OKRの導入初期の失敗。実は、この失敗こそが成功への通過点とも言われます。

実現することが困難な高い目標を設定するわけですから、初めから成功することはまず厳しいと考えていたほうが良いかもしれません。失敗と成功を繰り返しながら、持続的に実践していくことが必要になります。

「失敗は成功のもと」と気持ちを切り替えてしっかりとフィードバックを行い、改善・実行していきましょう。

まとめ

OKRを運用するには、メンバー全員が孤立することのないよう、チーム一丸となって設定からフィードバック、そしてウィンセッションという流れを確立していくことがキーとなります。

メンバー全員で成果を共有して喜びを分かち合い、失敗しても全員で改善の方法を探って、スピード感を持ってOKRを運用し続けること。これこそが失敗から学ぶOKR成功への秘訣なのです。

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