• 目標管理制度について

目標管理とは?導入効果や注意点、設定方法、失敗する方法を解説

By : 門田 仁

投稿日 : 2020/06/16

更新日 : 2020/08/11

目標管理とそのメリットはご存知ですか?

目標管理とは、ピーター・ドラッカーによって提唱されたマネジメント手法のことを指します。目標管理にはいくつかの型があり、目標と評価を結び付けたMBOや最近ブームになっているOKR、あらゆる指標を定量化するKPIが有名です。今回はそもそも目標管理とは何なのか?その目的やメリット、フレームワークについてご案内いたします。

目次

 

目標管理の歴史

まずは目標管理が誕生した歴史・背景から目標管理とは何なのかを紐解いていきます。

ドラッカーによって誕生した目標管理

「目標管理」は、1954年、アメリカの経営学者であるP・F・ドラッカーによって著された『現代の経営』内において、「目標と自己統制による管理」を提示したことに始まるとされています。

2010年には、岩崎夏海の小説『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』(通称『もしドラ』)が大流行を起こしたため、皆さんも「ドラッカー」という名前は知っているのではないでしょうか?そうです、「目標管理」を提唱したドラッカー氏と、『もしドラ』のドラッカー氏は同一人物です。

1960年代に日本の日本電信電話公社 (現 NTT)や住友金属などで導入

1954年に「目標管理」がドラッカーによって提唱された後、1960年代前半には、日本においても、日本電信電話公社 (現 NTT)、住友金属鉱業などといった企業で先進的に目標管理が導入されていきました。

また1965年に『現代の経営』が日本語訳、出版されたことで、1960年代後半には、日本でも目標管理に関する文献や書物が多数著されるようになり、日本でも目標管理を導入する企業は増加していきました。

2006年時点で79.3%の日本企業が導入するまでに浸透

目標管理が提唱されてから現代に至るまで、60年以上経ちましたが、時代背景や経済状況によって目的や手法を変化させながら、2006年には日本企業の79.3%が目標管理を導入しているると言われています。またそのうち、1000名以上の企業では、90%以上が「目標管理」を導入しています。

※労務行政研究所が2006年に行った「目標管理制度の運用に関する実態調査」より

 

目標管理とは

目標管理とは、目標を体系的に組織の末端まで分割していく過程で、個人目標との一致を図り、組織全体の目標に向けて自己統制 していくことを目的とする全般管理システムのことを指します。

※『日本における目標管理の現状と課題』奥野明子著より一部抜粋

もう少し簡単な言葉でかみ砕いてみましょう。

目標管理とは、組織目標と個人目標を擦り合わせ、個人それぞれに自己管理させることで、組織全体の目標を達成していくことを目的としたマネジメント手法のことです。

目標管理では、組織目標と個人目標は相反するものではなく、共存できる関係性であると考えられたのです。

目標管理が生まれる前の目標の捉え方

1950年代のマネジメント手法において、「組織目標と個人目標が共存できる」という考え方は、非常に革新的でした。

目標管理が提唱される以前のマネジメント手法では、組織目標を達成するためには、個人目標を押さえつけておく必要があると考えられており、従業員が個人のやりたいことを犠牲にして働き、その見返りとして従業員に給料が支払われるという構図が成り立っていました。
つまり組織目標と個人目標は相反するものであるという考え方が一般的だったのです。

目標管理における目標の捉え方

目標管理の考え方では、組織目標と個人目標は共存できる関係性であり、その二つの目標が近ければ近いほど、従業員のモチベーションは向上し、双方の目標が達成されるだろうと考えられました。

会社と個人の目標を合致させるために、従業員と話し合いを行い、経営へ参加しているという意識を持たせ、自主性をもって管理させることによって実現可能であると唱えられたのです。

まとめると、以下が、目標管理の考え方における特徴と言えるでしょう。

・組織目標と個人目標の共存
・従業員を「尊重すること」
・従業員を「参加させること」
・従業員に「自己管理させること」

これらの考え方が企業に導入されていくことで、それまでの「上司の言うとおりに働く」というマネジメント手法から、「個人と話し合いを行い、ひとりひとりが自己管理しながら働く」マネジメント手法へと転換したのです。

この考え方が非常に革新的であったことから、目標管理は世界中に広がり、その後、時代背景に合わせて改良・改善が繰り返されて、現在では多くの企業が目標管理を導入しているのです。

 

目標管理導入による効果

目標管理を導入後、うまく機能した場合、会社組織はどのように変化するのでしょうか?そのメリットや効果についてご説明します。

目標管理を導入し、機能した場合には、以下の効果を組織にもたらすことができます。

・モチベーションの向上
・従業員のスキルアップ
・経営理念やMVVの浸透
・納得性の高い人事考課の実現
・効果的なマネジメントサイクルの実現

それぞれについて順番にご説明します。

モチベーションの向上

目標管理を導入すると、従業員はモチベーションが向上し、前向きに熱意を持って仕事に取り組めるようになります。モチベーションの向上によって、個人の発揮するパフォーマンスは高くなるため、結果的に組織全体の生産性を向上させることにもつながります。

また、仕事に前向きに取り組むことのできる組織を作り上げることができれば、従業員は組織へと定着し、離職率も減らすことができます。

目標管理がモチベーション向上につながる根拠について、目標管理の提唱者ドラッカーは、アメリカの心理学者であるマズローの「欲求5段階説」とアメリカの臨床心理学者ハーズバーグの「二要因理論」を用いて説明しています。

マズローの「欲求5段階説」

マズローの「欲求5段階説」とは、心理学者アブラハム・マズローが「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」とし、人間の欲求を階層的に5段階に理論化したものです。以下がズローの欲求5段階説の図です。

人間の欲求は、低次元な階層からスタートし、その階層の欲求が満たされると、次の階層へと欲求を示すようになるとマズローは論じました。これは労働においても同じであり、高次の欲求である「尊敬への欲求」や「自己実現の欲求」を満たそうとしている人は、モチベーションが高く、会社の利益に貢献できる人材であるといえます。

ハーズバーグの「二要因理論」

次に、ハーズバーグの「二要因理論」とは、臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグが実証実験をもとに、仕事をする上での「満足」と「不満足」につながる要因は全く別のところにあると論じた理論です。以下が、ハーズバーグの二要因理論の図です。

図のように、「動機付け要因」は、満足感を得るための要因で、簡単に言えば「やりがい」を生み、モチベーションの向上につながるのがこの動機付け要因です。

「衛生要因」は、不満を解消するためだけで、満足感のための要素には成りえません。

目標管理でモチベーションが向上

この二つの説から、従業員のモチベーションを高めるには、「尊敬への欲求」や「自己実現の欲求」といった高次の欲求を満たし、「動機付け要因」が多く整備されている制度が必要であると言えます。つまり従業員の「個人の目的が達成できるような仕事がしたい」という思いを叶えることで、従業員のモチベーションは向上するのです。

目標管理は「個人目標と組織目標の共存ができる」マネジメント手法であるため、結果的に従業員のモチベーションを上げることができるとドラッカーは説明しています。

従業員のスキルアップ

人間は、大なり小なり目標を持つことで、計画的、精力的に行動をすることができるようになります。またその目標を達成することで満足感を得ることができます。皆さんも経験されたことがあるのではないでしょうか?

このような経験からもわかるように、「目標管理を導入し、高い目標を設定して挑戦させること」によって、従業員は精力的に行動するようになり、自ずとスキルの向上を図るようになります。

例えば、目標管理を導入している組織で、新卒2年目のAさんが年度の初めに以下のような目標を設定としましょう。

「昨年よりも売上を50%アップさせる」

新卒2年目のAさんのスキルでは、昨年よりも50%売上をアップさせるのが容易ではないことは明らかです。

そこで、Aさんはどのようなことをすれば、売上を上げることができるのかを考えます。以下がAさんの考えた施策です。

・受注までのプロセスを見直す
・セールストークを改善する
・より製品のことを熟知する
・顧客リストを分析する
・業界に関係する情報を収集する

Aさんは目標達成のために、上記のような施策を1年間しっかり実践したとしましょう。1年後、目標の達成、未達成に関わらず、Aさんは以前よりも確実に成長していることは誰の目から見ても明らかでしょう。

このように、目標をしっかり立てて、何をすれば、その目標が達成できるようになるのかを考え、行動することこそが従業員のスキルアップにつながるのです。反対に、目標管理を導入せず、従業員は目の前のことをただこなすだけになってしまうと、スキルアップには繋がりません。

目標管理を導入することによって、組織にいる従業員全員の能力を開発することができ、既存の人材を今までよりも活用することができるようになるのです。

経営理念やMVVの浸透

目標管理を導入すると、従業員へ経営理念やMVVの浸透させることができます。

経営理念とは「事業を遂行する上でこうあるべきだという、組織の根本の考え方や道筋」のことです。

MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)とは

MVVとは、Misson(ミッション)・Vision(ビジョン)・Value(バリュー)の略で、組織が社会においての存在意義や役割を定義されます。それぞれの意味は以下の通りです。弊社株式会社サイダスのMVVと併せてご確認ください。

・Mission

社会の中において組織が果たすべき役割を定義するもので、自社が何のために存在しているのかということを定義するものです。組織にとって最も重要なものがこのミッションであるといえるでしょう。

サイダスのMission-明日が楽しみになる世界をつくる。

・Vision

組織の成すべき事や目指す姿・目標を定義するものです。簡単に言うと、組織は何を行っていくのかということです。Missionが実現した状態がこのVisionとなります。

サイダスのVision-すべての企業の「⼈×データ」のインフラになる。

・Value

MissionやVisionを実現するための行動指針、価値観、姿勢を定義するものです。Valueは複数定義されることが多く、弊社では6つのValueを定義しております。

サイダスのValue(一部)-「働きがい」を届ける。・強い意志をもって創意工夫する。

つまり、経営理念やMVVは、何のためにこの組織が存在していて、何のためにこの事業を行なっているのか、組織が正しい方向に進む上での根幹となる部分です。これらを定義することによって、事業の方向性を示し、部署からチーム、従業員にまで組織の目指している方向を示すことができるのです。

しかし、これらは組織全体に浸透しないと意味を発揮しません。経営理念・MVVが形骸化してしまうと、部署や従業員がバラバラの方向を向いてしまい、まさに「絵に描いた餅」となってしまいます。実際このようになってしまっている企業様が多く存在することも事実です。

正しい目標設定がMVVを浸透させる

目標管理で適切に目標を設定すると、組織全体に経営理念やMVVを浸透させやすくなるのです。その理由は、目標を設定するプロセスにあります。

目標は、「将来のビジョン」→「(ビジョンから逆算された)会社目標」→「部門目標」→「チーム目標」→「個人目標」といったように、上からのブレイクダウンと、下からのボトムアップを組み合わせて設定していきます。

つまり目標管理では、部門やチーム、従業員それぞれの具体的な目標、行動が経営理念やMVVに紐づいたものとなるため、自然に従業員まで浸透させることができるのです。

納得性の高い人事考課の実現

目標管理を導入すると、納得性の高い人事考課を実現しやすくなります。

目標管理では、目標を設定する際、上司と従業員が、評価基準、期間、課題などを話し合ったうえで、個人目標を設定します。そのため、目標設定時に決めたことをもとに、達成率などの結果を確認して、そのまま業績評定として利用することができるのです。

また目標管理では、目標は一方的に与えられたものではなく、基本的には管理者と話し合いのなかで各個人が設定したものなので、従業員個人からは反発が起きにくいという性質もあります。

このように目標管理は、公正で納得性の高い人事考課の実現に非常に役立つのです。

しかしその反面、評価のための目標となってしまうことが多々あり、従業員が高い目標を設定しなくなってしまうという現象が多々起こっています。こうなってしまうと組織が成長することはありません。

評価のための目標とならないためには、目標設定の際に、上司と従業員がしっかりと話し合うことが重要です。それでも目標がうまく設定されない場合は、運用中の目標管理の仕組みが現在の組織にあっていない可能性があります。本記事内の[目標管理のフレームワークとは]をご参考にし、目標設定の仕組みを見直してみてください。

効果的なマネジメントサイクルの実現

目標管理を導入すると、管理者が従業員に対して効果的なマネジメントサイクルを実践することができるようになります。

管理者の本来の役割は、「自分のもとに任された部下を管理、活用し、その部署やチームの目標を達成させること」です。その役割を果たすため、管理者は一般的に「PDSサイクル」、「PDCAサイクル」といったマネジメントのフレームワークに従って、部下のマネジメントを行います。

    

目標管理を導入すると、管理者と従業員が話し合って従業員個人の目標を設定するため、次のような行動パターンでマネジメントすることができます。

(Plan)

期の初めに、部下に組織目標に紐づいた個人目標を設定させる

達成方法や達成水準、評価基準を明確にする

上司が部下と話し合いをし、目標の確認・調整を行う

(Do)

期中は進捗確認を随時行う

(See・Check)

期の終了時に目標の最終的な達成状況を確認し、振り返り、評価を行う

(Plan・Action)

目標達成度合いに合わせて、部下が自主的に個人目標を設定する

達成方法や達成水準、評価基準を見直し、明確にする

前の期を踏まえて、上司と部下が話し合いをし、目標の確認・調整を行う

このように目標管理を導入した場合、サイクル内のマネジメントの一部を部下本人に行わせることができます。そのため管理者は少ない負担で、効率的に部下のマネジメントを行い、チームの目標を達成させることができるのです。

またマネジメントサイクルが仕組み化されていることにより、管理者は手順に沿って行動すれば的確なマネジメントを行うことができ、チームごとの能力差が生まれにくくなるという効果もあります。

 

目標管理のフレームワークとは

こちらではMBO、OKR、KPIといった目標管理のフレームワークについてご案内します。

一言で目標管理といっても、1954年、ドラッカーによって目標管理が提唱されて以来、時代に合わせて改良・改善が繰り返され、現代では様々なフレームワークが存在しています。

目標管理を導入し、上手く機能させるには、組織にあった手法で運用する必要があります。組織にあった手法で目標管理を行えていないばかりに、目標管理が形骸化してしまっている組織も多くあります。それぞれのフレームワークを参考にして、組み合わせたり、いい部分をとってカスタマイズすることで、組織にあった手法で目標管理を行うことができます。

MBO

MBOという言葉の由来は、ドラッカーが唱えた目標管理の原文「Management by Objectives」の頭文字です。そのため目標管理とMBOは同義であり、部下のモチベーションを高め生産性を高めるマネジメント手法を指す言葉でした。しかし日本では、MBOという言葉は、ドラッカーが唱えた本来の理念とは異なる「フレームワーク」として拡がっていきました。こちらでは、日本の多くの企業で導入されている「フレームワークとしてのMBO」について解説します。

フレームワークとしてのMBOは一言でいうと「目標と評価を密接に紐づけた」目標管理フレームワークです。ドラッカーの提唱した目標管理から得られる「納得性の高い人事考課の実現」というメリットを生かした目標管理です。

👉 人事評価制度とは?メリット・デメリット、注意点など

MBOの特徴

・目標と評価・給与が密接に結びつく
・目標と評価が結びつくため、目標に関する情報公開範囲は「上司と部下のみ」
・組織の給与改定に合わせるため、目標期間は半年、もしくは1年
・目標を上回る成果を出せば高い評価、目標を下回った場合は低い評価
・達成水準は100%

MBOのメリット

・目標設定と結果が明確なのでシンプルな評価制度ができる
・納得感のある人事考課の実現
・目標達成が報酬に反映されるため、個人のモチベーションに紐づきやすい
・自分自身で行動を定めるため指針が明確になり、スキルアップにつながる
・組織によって解釈の余地があり、カスタマイズしやすい

MBOのデメリット

・評価に紐づくため、社員は達成できるラインの目標ばかり設定する可能性がある
・評価がかかわるため、情報公開性が低くなり、誰が何しているのかわかりづらい
・目標期間が長いため、目標を忘れてしまい、モチベーションが継続されづらい
・評価のための目標であるため、本当に目指したい個人目標とかけ離れてしまう
・目標管理ではなく、評価制度として運用になりがち

MBOの本質

フレームワークとしてのMBOの本質としては「給与に直結する目標を設定し、従業員のモチベーションを高める」ことです。ドラッカーが唱えた本来の目標管理の意味合いは薄くなってしまっていますが、評価制度と目標管理を連動させたい場合には、参考にすると良いかもしれません。

OKR

OKRは、intel(インテル)から生まれた管理手法で、GoogleやFacebook、日本ではメルカリなどのITベンチャー企業がこぞって導入し、飛躍的な成長を遂げる原動力になっている革新的な目標管理のフレームワークです。

OKRとは、「Objective and Key Result」頭文字を取った略称です。Objective(O)は「目標」とKey Result(KR)は「重要な指標(目標の達成のためにやるべきこと)」で構成されています。

OKRを簡単に説明すると、「チームメンバーを同じ目標に導くためのフレームワーク」と言えます。それぞれの立場や役割は違っても、メンバー全員が勝利を目指して点を取りに行くサッカーのような団体競技をイメージすると良いでしょう。

OKRの特徴

・組織の目標から個人の目標まで繋げて設定する
・達成率が60〜70%ほどが予想されるチャレンジングなObjectiveを設定(OKRの世界ではムーンショットと呼ばれます)
・人事評価に直結させない
・目標に関する情報はオープンにする
・やるべきことを明確にするために、Objectiveは1つ、Key Resultは3つから5つ
・環境や状況の変化に対応できるよう、目標期間は3ヶ月1サイクル

OKRのメリット

・会社全員で高い目標に挑戦することで、生産性が向上し、組織力が向上する
・会社・部署・個人が同じ方向に向かって進むことで、エンゲージメントが上昇する
・情報公開性が高いので、社員間のコラボレーションが生まれやすく、コミュニケーションが活性化する
・高頻度のフィードバックによって、目標の意識付けができる
・目標期間は短期間のため、世の中の変化や状況に柔軟に対応できる

OKRのデメリット

・すぐに機能することは珍しく、トライアンドエラーが必要となる
・挑戦的な目標を設定する必要があるため、目標設定の難易度が高い
・フィードバックは高頻度であるため、時間を確保する必要がある
・評価制度と直接的には結び付けられない

OKRの本質

OKRの本質は、「みんなで同じ方向を向いて、ワクワクしながら、高い目標を目指す」ということです。個人よりも組織の団結力や成長が重要と言われている現代には非常に理にかなったフレームワークであるといえます。また、3ヶ月という短いスパンでレビューを行うので、状況や環境の変化に柔軟に対応できるという点も現代社会にあっているのではないでしょうか。

OKRについて詳しくは、こちらをご覧ください
👉OKRとは?Googleも導入する目標管理手法|メリットや特徴など

KPI

KPIは、「Key Performance Indicator」の略で、日本語では「重要業績評価指標」と訳されます。簡単に言うと、KPIは「プロジェクト単位の目標を達成するためのフレームワーク」です。KPIを設定することにより、プロジェクトがどの程度目標達成に向かって進んでいるのかを確認することができます。

またKPIと共に紹介される概念として、「KGI」というものががあります。KGIは「Key Goal Indicator」の頭文字をとった略称であり、「重要目標達成指標(ビジネスの最終目標を定量的に評価できる指標)」と紹介されることが多いです。

まとめると、KPIはプロジェクトの最終的な目標であるKGIを達成するための、過程を計測する中間指標のことで、KPIを適切に設定することで、KGIの達成へどれだけ進んでいるのかが分かるようになるということです。

KPIの特徴

・プロジェクトチームごとの少人数単位で行われる
・定量的に数値で計測する
・目標期間はプロジェクトの期間
・KGIから逆算してKPIが設定されるため、100%以上の達成を目指す
・レビューの頻度は高頻度が望ましいが、プロジェクトリーダーに裁量あり

KPIのメリット

・目標達成に向けての行動が明確化する
・目標達成までのプロセスを可視化し、計測することができる
・定量的な目標を設定するため、解釈が統一される
・優先順位が明確化する
・数字の進捗を短いスパンで追っていくため、方向転換がしやすい

KPIのデメリット

・数値的な「量」が重視されることで、仕事の「質」が下がってしまう
・ルーティンワークになってしまいがちで、モチベーションが低下しやすい
・数値を追うべきであるという指標のため、イノベーションの余地が少ない
・指標であるKGIと目標の関係性が直接的ではないため、KPIをクリアしても目標は達成しないということが起こってしまう

KPIの本質

KPIの本質は、「目標達成のためのプロセスを数字で計っていくこと」であり、プロジェクト単位の定量的な目標を達成するためには効果的なフレームワークであるといえます。

数値目標を追う上では、指針として活用できるフレームワークであるといえるでしょう。

MBOとOKRとKPIの違い

MBOとOKR、KPIはそれぞれ共通しているところもあり、また相反しているところもあります。何か一つを取り入れるだけではなく、それぞれのフレームワークを参考にして、組み合わせたり、いい部分をとってカスタマイズすることで、組織にあった手法で目標管理を行うことができます。

MBOとOKR、KPIはそれぞれを一言でいうと以下のような目的を持ったフレームワークです。

MBO:目標と評価を直接紐づけ、報酬や昇格といった評価の決定的要素にするため

OKR:メンバーを同じ目標に導き、組織全員で高い目標を達成するため

KPI:プロジェクト単位の目標に対する数値的な指標を追うため

MBO・OKR・KPIの違いについて詳しくは、こちらをご覧ください
👉【徹底比較】OKR、MBO、KPIそれぞれの違いとは?

 

目標設定で使える方法

目標を設定する上での役に立つ目標設定法をいくつか紹介します。組織や自分にあった目標設定法を選択し、目標管理のフレームワーク内で活用することで、目標管理をアクティブにすることができるでしょう。

ベーシック法

ベーシック法は、もっとも基礎的な目標設定方法です。ベーシック法では以下の4つの切り口から目標を設定していきます。

「目標項目」→「達成水準」→「期限」の手順で設定し、それをもとに「達成計画」を設定します。「達成計画」とは、定めた目標をさらに具体化し、どう実行に移すかを明確にしたアクションプランです。このアクションプラン通りに動いて目標達成をするというのがこのベーシック法という目標設定方法です。

SMARTの法則

SMARTの法則は、ドラッカーが発案した目標管理から誕生した目標設定法です。SMARTという言葉は、5つの指標の頭文字をとって名付けられています。

・Specific=具体的で分かりやすい
・Measurable=計測ができる
・Agreed upon=達成が可能である
・Realistic=現実的である
・Timely=期限が明確になっている

メンバー全員が同じ水準で誰が見ても明確な目標を設定するために用いられます。SMARTの法則は、KPI・OKRの目標を設定する際によく取り入れられています。

HARDゴール

HARDゴールは、リーダーシップや従業員の生産性の専門家でベストセラー作家であるマーク・マーフィーが著書の「HARD GOALS」で提唱している目標の設定方法で、近年非常に注目され始めています。

マーフィーは、以前よりSMARTの法則は変化が激しい現代には合わないと否定しており、

SMARTの法則よりも感情に深く根付いている「HARDゴール」という目標設定法を開発しました。HARDは、4つの指標の頭文字をとって名付けられております。

・Heartfelt=「心の底から」達成したくなる目標
・Animated=「生き生きとした」目標達成後の姿が鮮明にイメージできること
・Required=目標達成のために「必要とされている」スキルや能力を明確にする
・Difficult=「困難」な目標であること

※HARDゴールに従って目標設定をする際は、H→A→D→Rの手順で指標を確認します。

HARDゴールは、特に自分自身のキャリアに紐づいた目標を設定する際に適しているとされています。

ランクアップ法

ランクアップ法は、自分を成長させるための「ストレッチ目標」を正しく設定するための目標設定法です。以下の6つの切り口で目標項目を考えていきます。

・改善:ネガティブな部分を解決する
・代行:自分よりレベルの高い人の仕事を代行できるように
・研究:あるテーマについて研究する
・多能化:異なるジャンルのスキル、知識を身につける
・ノウハウの普及:自分のスキルや知識をノウハウ化する
・プロ化:特定の分野のプロとなる

これらの目標項目に沿って目標を立てることで、ある特定の分野に特化した質の高い目標を作成することができ、自分をプロフェッショナルとして成長させることができます。

マンダラチャート(マンダラート)

マンダラチャートとは、仏教のマンダラ模様のようなマス目を作り、そのマス目中心から一つ一つにアイデアを書き込むことで、目標と具体的な行動が明確になるという発想法です。

少し前にメジャーリーグのロサンゼルス・エンゼルスで大活躍中の大谷翔平選手が高校時代に作成したマンダラチャートが話題となりました。以下が大谷選手のマンダラチャートです。

目標設定で活用する場合、マンダラチャートは以下のステップで作成します。

1.中心のマスに最終達成目標を記入
2.周辺の8マスに達成するためにやるべきことを記入
3.記入した中心の8マスを、周囲のマンダラチャートの真ん中のマスに記入する
4.3で記入したマスの周りに2と同じようにそれぞれのやるべきことを記入
5.81マスのマンダラチャートから一つずつクリアしていく

目標とやるべきことが直接紐づいた形で細分化されるため、目標に対しての優れた行動指針を作ることができます。またマンダラチャートを81マス全て埋めることは大変であり、その苦しみからひねり出すことによって、意外性のある優れたアイデアが生まれやすいというメリットもあります。

 

これらの目標設定法は一部であり、この他にも様々な目標設定の方法が存在します。詳しくは、こちらをご覧ください。
👉目標設定の方法とは?フレームワーク11選

 

目標管理が失敗する理由

フレームワークやメソッド通りに目標管理を運用しても、目標管理がうまく機能せず、失敗に終わるという状況は起きてしまいます。ではなぜメリットを感じられるはずの目標管理が失敗してしまうのでしょうか?よくある理由をまとめてみました。以下をご覧ください。

・組織の目標と個人の目標が紐づいていない
・目標管理=人事評価にしてしまう
・フィードバックが行えていない
・経営理念やMVV、経営戦略が具現化されていない
・目標管理への理解が浸透していない

それぞれについて説明します。

組織の目標と個人の目標が紐づいていない

目標管理の最も大事な目的は、「組織の目標が達成されること」です。部署目標やチーム目標が組織の目標と結びついていない状態で個人目標を作成し、達成しても、組織の目標に紐づいていないため、目標管理自体が成り立っている状態とは言えないでしょう。

組織目標をしっかり設定し、個人目標まで落とし込むことが目標管理においては大切なのです。

目標管理=評価制度にしてしまう

目標管理を評価制度として認識している方は、実際に多くおられます。目標管理を人事考課の一部として活用することはできますが、目標管理=評価制度ではありません。

直接目標管理が評価制度になってしまうと、個人は目標を達成すると評価が上がるという考えに至ってしまい、部署目標や個人目標を設定する際に、達成できそうな目標しか設定しなくなってしまいます。そうなると組織の目標が達成されることはなくなってしまうので、目標管理として機能していないと言えます。

目標管理は評価制度ではなく、評価をする上の一要素として捉えましょう。

フィードバックが行えていない

以下のように目標管理では、様々な場面においてフィードバックが重要となります。

・目標設定時:目標を設定するための擦り合わせを行うため
・目標期間中:進捗状況の確認や目標の見直しのため、モチベーション継続のため
・目標終了時:達成度の確認、目標のレビューを行うため

このようにコミュニケーションをとってフィードバックをする機会が非常に多いため、フィードバックが少なくなってしまうと、目標管理が正しく運用されるはずがありません。

目標管理の運用にはフィードバックが不可欠です。1on1や面談、チームMTGを活用し、適切なフィードバックを行いましょう。

経営理念やMVV、経営戦略が具現化されていない

目標管理の一番の目的は、「組織目標の達成」です。そしてその組織目標は、経営理念やMVV、経営戦略から設定されます。それらが具現化されていないと、適切な組織目標が設定されることはありません。どれだけ組織にあった優れた目標管理制度を導入したとしても、目標管理自体は本来の目標が果たせず、意味が無くなってしまいます。

目標管理を導入する前に、組織の経営理念やMVV、経営戦略をしっかりと整え、それらをもとに適切な組織目標を設定してください。

目標管理への理解が浸透していない

目標管理制度を導入しても、組織のメンバーが組織が導入した目標管理を正しく理解していなければ、現場において正しく運用されることはありません。どういう意図でどのような目標管理を導入しているのか、組織にしっかり周知し、理解を浸透させましょう。

また役職者の方々は、メンバーの個人目標の設定をフォローし、フィードバックを行う立場ですので、より深い理解を必要となります。役職者の方々に向けては、勉強会や共有会など行い、頻繁に理解を促す機会をつくると良いでしょう。

現場において適切に目標管理が運用されるために、組織全体での目標管理への理解を深めましょう。

 

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