- マネジメント
リモートワークによるエンゲージメント低下を防ぐ効果的なOKR運用方法
目次
1. 新型コロナウィルスで増えるテレワーク
2. リモートワークで生まれるデメリット
3. なぜテレワークでチームへのエンゲージメントが損なわれるのか?
4. リモートワークでもエンゲージメントを維持するOKRの運用方法
・チェックインの事前準備
・チェックインの段取り
・WEB会議でのチェックインMTGで気をつけること
5. お互いの信頼関係を崩さないために、進捗や成果を可視化する
新型コロナウィルスで増えるリモートワーク
沖縄からこんにちは。OKRクラウドbantoの高橋といいます。
みなさん、OKRやってますか?
2020年4月2日現在、コロナウィルスの影響で日本、世界中にネガティブな空気が流れております。
日経平均株価は大暴落し、リーマンショックの再来とも言われています。
感染拡大を防ぐために、不要不急の外出を避けるよう各自治体が要請したことも後押しとなり、テレワークを導入する企業が急増しているのは既にご存知のことだと思われます。
パンデミックにより、予測できなかった事態が次々と起こっている中、それでも私たちサラリーマンは事業を存続させるために必死に食らいついていきながら、環境の変化に対応していく必要があります。日本中の働く皆様、本当にお疲れ様です。
今回は、
・慣れないリモートワークでどうやってOKRを運用するか
・リモートワークで失われがちなエンゲージメントを維持したい
と考えている方に向けてお話しさせていただきます。
リモートワークで生まれるデメリット
リモートワークといば、こんなメリットがあります。
・満員電車に乗らずに仕事できる
・子育てなど自分の生活スタイルに順応させて仕事できる
・客先への訪問を無くすことで業務の生産性を向上できる
これらリモートワークのメリットを充分に享受するためには、ZOOMやSlack、G-suiteなど、直接顔を合わせなくても円滑にコミュニケーションを取れるクラウドツールの整備が必要になります。
さらに、ツールを入れるだけでは十分ではなく、使う人が一定のマナーやルールにしたがって使うことが、コミュニケーション全体の生産性を向上できますので、ルールやガイドラインの整備も必要になります
とはいえ一方で、ツールだけでは乗り越えられない壁があることも利用者の実態から分かってきています。
「リモートワーク 失敗」 などのキーワードで検索してみてください。
リモートワークはメリットだけでなく、損なわれるものもあることが示唆されています。
例えば、極端な例として挙げると、アメリカのYahoo社の場合、全社員のうち25%がリモートワークを行っていましたが、2013年には、「会社やチームへのエンゲージメントを損ねる」などの理由から、リモートワークを廃止しています。
またIBMは、全社員の過去数十年に渡ってテレワークが行われてきており、全社員の40%がテレワークでしたが2017年に在宅勤務を禁止にしました。ちなみにIBMが在宅勤務を禁止した理由は明らかにされていません。
なぜテレワークでチームへのエンゲージメントが損なわれるのか?
アメリカのギャラップ社がリモートワークの頻度と会社へのエンゲージメントの度合いを調査したところ、週に3、4日のリモートワークをする社員が最もエンゲージメントが高く、毎日リモートワーク、または毎日オフィスに出社する社員はエンゲージメントを低下させることが調査結果で分かっています。
エンゲージメントを低下させる主な要因は以下の3つだと言われています。
(1)同僚とつながる機会がない
(2)今後のキャリアの展望が見えない
(3)上司が成果に気づかない、評価してくれない
リモートワークでもエンゲージメントを維持するOKRの運用方法
こちらの記事「OKR で社内エンゲージメントを高め、経営力アップ」でお話しした通り、
OKRがチームにもたらす効果の一つに、エンゲージメント向上というメリットがあります。
リモートワークの状況下であっても、OKRをリモートワークに適応させて運用させることで、エンゲージメントを低下させず維持・向上させることができます。
その気になる具体的な方法をご紹介しますね。

▲bantoチームのチェックインの様子です!
チームメンバーとの繋がりを育むZOOMチェックインMTG
まずは、OKRで絶対に外せない週次のチェックインミーティングについて見ていきましょう。
リモートワークなので、zoomなどのビデオ会議で行うことになりますが、ポイントはそのやり方です。
チェックインの事前準備
まず、チェックインMTGを始める前に、以下の項目を準備しましょう。
ファシリテーターを決めましょう
チームのマネージャーでなくもOKです。スクラム開発を行っているような技術部の場合は、
スクラムマスターやプロダクトオーナーが担当しても良いと思います。
営業チームの場合は、事務方サイドのメンバーでも面白いかもしれません。
要は、マネージャーが仕切り過ぎて、解決策から詳細な指示も全てマネージャーが出すような
MTGでは、メンバーは萎縮して発言しづらく、意見を求められても
大胆な意見は言いづらいものです。
メンバー同士のシナジーを発揮することを推奨しているOKRでは、メンバー一人ひとりが積極的に発言をし、議論を活性化させることが大事になってきますので、このようなミーティング方法は望ましくありません。
ミーティングのファシリテーターは、チームの上司ではなく、話を振ったりまとめたりするのが上手な人、明るく場を進行できる人を選抜してみてください。
事前にクラウドツールやスプレッドシートに進捗を入力しておく
これはあまり深堀りする必要もありませんね。
ZOOMの会議中、いつでも誰でも見れるようWEB上に進捗や課題、計画などを記したシートを用意して、ミーティングまでに記入するようにしておきます。
ミーティング中はそのシートをみんなで見ながら進めていきましょう。
チェックインの段取り
- 次にチェックインMTGの段取りです。これは企業様によって、本当に様々なパターンがあるのですが、現状よくあるパターンだと
・チーム全体の先週の状況、トピックを確認
・各種KPIの共有
・メンバー一人ひとりが進捗と課題を報告
課題について解決策をもっているメンバーは随時アドバイス
・チーム共通の課題の確認
・最後に、今週の計画を確認
このような感じでしょうか。 - ここに、チームの健康状態を5段階評価でつけてもらったり、
気になるトピックを共有してもらったりして、業務以外での情報共有を増やすのも良いかもしれません。
WEB会議でのチェックインMTGで気をつけること
- 次に、実際のMTG時に気をつけるべきポイントを詳しく解説していきます。
顔を見せる
まず何より、顔を見せ合うことが重要です。
WEB会議は対面で会話しているかのようにコミュニケーション取れることが大きなメリットの一つです。
顔を見ながら話すことで、お互いの反応を確認しながら話を進めることが出来るので、議論を進めるスピードも早いですし、かつ安心感も生まれます。
こうした感情のやり取りは、メールやSlackなどの文字情報だけの伝達では難しく顔を見せあった対面ならではと言えます。
また、感情をリアルタイムにやり取りすることで、議論をより深く、本質に迫った会話に導くことができ信頼関係の維持・構築に繋がります。
自宅だから家の中を見せたくないと言う場合もあると思います。
その場合はZOOMのバーチャル壁紙機能を使うなど工夫して、お互いの信頼関係構築のために顔を見せるようにしたいものです。
目線をあわせる
また、WEB会議でのMTG中では、バーチャルであってもリアルな会議と同じような空気感を作り出すために目線を意識することも重要です。
顔を見せていても、隣のモニターに顔が向いていたり、カメラが下に付いてるために見上げたアングルで顔が写ってしまっていると、会話していても目線が合わないということになります。
対面での会話でも同じですが、アイコンタクトを取りながら会話をすることはチーム間の信頼関係を構築する上で最低限のマナーとも言えます。
参加しているメンバーの目線がモニターに合うようカメラの位置を調整しましょう。
リアクション・ジェスチャー多めにする
ZOOMでチェックインMTGを行う場合、資料などを画面で共有しながら、話を進めることになりますが、会議を進行するファシリテーター役は、画面端に映っているメンバーのリアクションをチラチラ確認しながら進めている方も多いと思います。
資料を説明している間、顔を見れるのはいいのですが、この画像がとても小さく、話を理解してくれているのか、同意してくれているのかいまいち分かりづらいため、進行しづらさを感じることが多々あります。
ですので、話を聞いてるメンバーは、
・話を理解しているときはいつもよりも頻繁に激しく「うんうん」と頷く
・いまいちわからない場合は首をかしげる
・良い情報の場合は親指を立てたグッドサインを出す
・YES/NOの質問で回答する質問には手で✕や◯を作って分かりやすく表現
ということを徹底することで、ZOOMを使ったチェックインMTGもスムーズに滑らかに進むことでしょう。
作業しながらはNG!
人によっては、効率性を重んじるばかりに、ZOOM会議に参加していても「耳を傾けていればいいだろう」と解釈し、こっそりSlackの返信をしていたり、せっせと違う仕事をしてたりする人がいます。
不思議とWEB会議ツールを使ったMTGでも、会議に集中していないメンバーはすぐに分かってしまうものです。
明らかにその場の会議に集中していない態度は、MTG全体の空気感を悪くし、MTGの開催意義を低下させ、他のメンバーにも悪影響を及ぼしてしまいます。ちょっとくらい良いだろう、は全体のエンゲージメントを損ねかねませんので、会議中は会議だけに集中するようにしましょう。
健康状態を定点観測
生活の場である家の中で毎日仕事を続けていると、職場やチームとの繋がりを感じる機会が減り、ふとしたときに孤独感や寂しさが襲ってくることがあります。
私生活と仕事のメリハリがつけにくくなり、長時間労働に陥ってしまったりすることもあるようです。
メンバーの健康状態を維持するために、一人ひとりの発言の頻度や内容や、夜中にSlackにログインしていないかなど定期的にチェックし、変化を見落とさないようにしたいものです。
また、チェックインMTGでは、一人ひとりの健康状態をチェックするために、いまの精神と健康の状態を10段階評価で指で表してもらったり、ウィンセッションを行って一人ひとりの行動や成果を賞賛し、楽しい雰囲気づくりに務めることで、チームへのエンゲージメントを維持することができます。
ZOOMが1on1に意外と向いている?
OKRとセットで取り入れられることが多い1on1ですが、チェックイン同様にぜひZOOMで行ってみてください。
人によっては、対面よりもZOOMの方がずっと会話しやすいと感じられる方もいらっしゃいます。
理由として、部下の立場からしてみると密室で上司と一対一になるのは結構ストレスがかかるものなのですが、ZOOMの場合顔は合わせていますが物理的に同じ空間にいないので心理的に余裕が生まれます。
また、貧乏ゆすりや腕組み、うなずき方などのちょっとした振る舞いが高圧的に感じられたりするものですが、ZOOMの場合こうしたノンバーバルな情報があまり目に入ってこないため、話に集中できるというメリットがあるのかもしれません。
女性の場合だと、性的な目で見られたり、密室で上司の嫌な臭いを嗅ぎたくない…といったストレスを回避出来るメリットがあるのかもしれません。
お互いの信頼関係を崩さないために、進捗や成果を可視化する

▲banto OKRツリー表示画面
リモートワークを導入するにあたり、経営者やマネージャーの方が真っ先に心配になるのが、業績や成果物への影響だと思います。
リモートワークになったからと言って、業績を下げていいというわけではありませんから、顔が見えない分、ちゃんと仕事してるのかな?と疑心暗鬼になってしまいます。
チームメンバーはちゃんと仕事をしているにも関わらず、
「仕事しないでYOUTUBEばかり観てるんじゃないかな?」
「Slackの反応がないけど寝てるんじゃないかな?」
と、ついつい疑ってしまう方もいるでしょう。
メンバーからしたら、ただちょっとトイレに行ってただけなのに「レス遅いけど今何してた?」と聞かれたり、常時ZOOMで繋ぎっぱなしにされるなどすれば、監視されている気分になり、管理を強めることでエンゲージメントは低下していってしまうでしょう。
リモートワークでお互いの信頼関係を損なわないためにも、以下のポイントを気をつけてみてはいかがでしょうか。
・日々の報告を徹底する
・報告した進捗を可視化する
・ウィンセッションでやったこと(成果)を発表し褒め合う
期待されていることに対してきちんと報告・共有し、
かつ報告した情報が可視化されていつでも見れる状況にすることで、上司だけでなく、チームメンバー全員との信頼関係を構築することができます。
少し宣伝になってしまいますが、
私たちのbantoは、日々の進捗や報告された進捗を可視化するのに適したツールです。
会社、チーム、個人のOKRを設定すると、KRに対しての進捗や、その日やった、課題などをSlackのチャットボットアプリ「AIbanto」が、メンバー一人ひとりに決まった時間に質問をして回ります。
メンバーは、チャットボットと会話するようにその日の活動結果を報告してください。
報告された結果は、日報のようなフォーマットになり、bantoの画面上でチームメンバーと共有することができます。
営業など日々積み上げの数字で報告される進捗データは、自動的に集計されて画面に表示されますので、いちいち集計してシートを更新したりする手間暇もありません。
リモートワークで効果を発揮する!bantoのレポート機能
そして、4月の大幅バージョンアップでチャットボットの質問を自由自在にカスタマイズすることが出来るようになりますので、リモートワークの効率的な進捗管理やコミュニケーションでお困りの方にピッタリの機能となります。
例えば、一日の始まりに「今日やること」や「シェアしたい情報」などの質問を作って情報をシェアし合えば、朝会の代わりになりますし、業務終了間際に、「その日やったこと」や「困ったこと」など日報となる質問も作れるようになります。チームごとに微妙に質問の内容を変えることも可能です。
いまの時期なら、一週間に一回程度、熱はありますか?咳は出ますか?といった健康状態に関するアンケートを取って定期調査を行っても良いかもしれません。
顔が見えない分、やり取りする情報量を増やし、「一人ひとりが何を考え、どういう目的でそれをしたのか」共有していくことで、お互いの信頼関係は築かれていくと考えられます。
本日は以上になります。
最後まで読んでいただきありがとうございます!
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